神戸ベイシェラトン、ロイヤル…ホテル、コロナ禍でマルチタスク化 サービスの質もアップ

神戸ベイシェラトン、ロイヤル…ホテル、コロナ禍でマルチタスク化 サービスの質もアップ
神戸ベイシェラトン、ロイヤル…ホテル、コロナ禍でマルチタスク化 サービスの質もアップ
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 専門職ごとの分業が一般的だったホテルで、1人が複数の仕事を並行してこなす「マルチタスク」が広がり始めた。関西では、神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ(神戸市)やロイヤルホテル(大阪市)が昨年導入。背景には、新型コロナウイルス禍による従業員の一時帰休が増え少数で運営する必要に迫られたことがあるが、縦割りの弊害がなくなり、サービスの質向上にもつながっている。

(田村慶子)

フロント+レストラン

 「お客さまとの距離を縮められるし、一日の中で違う職場をめぐると気分転換にもなる」。そう笑顔を見せるのは、ホテルニューアワジに昨年4月入社し、傘下の神戸ベイシェラトンホテル&タワーズに勤める木邨(きむら)華歩(かほ)さん(23)だ。

 彼女の主業務はフロント係だが、レストランで準備や接客をしたり、館内の温泉施設を清掃したりとさまざまな仕事をこなす。フロントでは朝食の利用客の混み具合などを客によく尋ねられ、「現場を見ているからすぐに答えられるし、その日のお勧めメニューなどを伝えると喜ばれる」という。

 ホテルニューアワジは淡路島(兵庫県)のグループ施設に先行導入した。グループ全体で新卒社員の約半数がマルチタスク職として施設で働いている。「部門の壁が消え、ホテル全体のサービスに従業員の目が行くと、かゆいところに手が届くような先回りしたおもてなしができるようになった」と広報担当者は効果を話す。

 旅館には「仲居」というマルチタスクと同様の働き方があるが、洋式ホテルは客室やレストラン、宴会など部門が明確に分かれ分業する形となっている。

 こうした事情から、神戸ベイシェラトンも以前から検討を進めていたが完全に移行できていなかった。だが、コロナ禍で売り上げが激減し、人件費を抑える必要に迫られる形で始め昨年4月にマルチタスクを導入。6月、完全に移行した。

厨房+給仕

 ロイヤルホテルも昨年10月から傘下ホテルの一部でマルチタスクを始めた。旗艦店のリーガロイヤルホテル(大阪市)では12月、これまで担当を分けていた結婚式・披露宴のの相談・受付と段取りの打ち合わせを統合。厨房(ちゅうぼう)スタッフの一部に給仕の仕事も兼務できるようトレーニングを始めた。