浪速風

コロナ下「Rien」のはずがない

新型コロナ対策本部会議で発言する大阪府の吉村洋文知=7日、大阪市中央区(寺口純平撮影)
新型コロナ対策本部会議で発言する大阪府の吉村洋文知=7日、大阪市中央区(寺口純平撮影)

フランス革命の発端となったバスチーユ監獄が襲撃された日。フランス王のルイ16世は自身の日記に「Rien(何もなし)」と記したとされる。ルイ16世の趣味は狩猟と錠前づくり。この日の狩りの獲物がなかったため、そういう記述になったのだと言われている

▶後になって振り返ると歴史的に大きなうねりが起き始めていたのに、最初はその重大さを認識できなかった-なんてことは、ままある。日々を「ボーっと生きている」のが理由なのか、端緒があまりにも密(ひそ)やかで分かりにくいのか。両方のケースもあるだろう

▶新型コロナウイルスとの長い戦いの中で、われわれも変化に鈍感になってはいないだろうか。初の緊急事態宣言が発令されてから、7日で1年が経過した。だが、感染は収束の見通しが立つどころか、威力を増している。大阪府では独自の基準に基づく医療非常事態宣言が出た。不要不急の外出自粛も求められている。「Rien」のはずがない。