朝晴れエッセー

こちらこそありがとう・4月9日

フナちゃんや玉ちゃんなど、釣り堀で釣った合計5匹の金魚。大人のメダカは5種類、合計6匹。子メダカは10匹ほどで、全部ヒメダカと楊貴妃メダカのミックス。加えて大量のタニシ。夏から秋に作った10個程度の蝶の標本も並んでいる。

これらはすべて、6年2組生き物係の所有物ということになっていた。

しかし、卒業とともに、当然生き物係は解散に。と同時に、これらの生き物や標本は新6年生に引き渡された。

そこで、私たちが最も信頼を置いているのが、新6年生のMちゃん。新6年生きっての生物好き。これからの生き物たちの世話も快く引き受けてくれた。

私たちからは、生き物の名前と、ちょっとしたアドバイスを1、2個伝えた。あとはMちゃんたちの方針に任せた方が良い、そう思って安心していたころ、Mちゃんから折り紙でつくった小さな箱を手渡された。

折り紙の箱は、パーツの1つを外すと中身を取り出せるようになっていた。中に入っていたのは、小さく折りたたまれた白い紙。その紙には、堂々とした字でこう書かれていた。

「今まで本当にありがとうございました」

わー! 思わずうれしくなって、友達に見せ、自慢してしまった。そのときは卒業前の良い思い出になった、と思った。卒業が余計に寂しくなる、とも思った。

齋藤凜花 12 中学1年生 東京都新宿区