浪速風

言霊の国だから

言霊(ことだま)の幸(さきはう)ふ国という(万葉集)。日本のことだ。言葉の霊力が幸せをもたらす国だというのだから、やはりその力はあなどれない。「まんぼう」はまずかろうということで、あちこちから声があがった。新型コロナウイルスの感染防止を防ぐ「蔓延(まんえん)防止等重点措置」である。もはや「蔓防(まんぼう)」と省略する人はいないだろう。

▶けれど、緊張感に欠けるからという意見は魚のマンボウにちょっと失礼かもしれない。つぶらな瞳でゆったりと泳ぐ姿に愛嬌(あいきょう)があり、水族館などでは人気者だ。どう見ても癒やし系だと思っていたら、かつてはそのマンボウに疫病退散を願った人々がいたらしい

▶昨日の夕刊によると、和歌山市立博物館に「疫病除ケ」と記された「満方(まんぼう)」の木版画があるという。収集家から寄贈されたそうだ。先に妖怪「アマビエ」がブームになったが、次はマンボウだろうか。いやいや今日はお釈迦様の誕生日だ。花祭りコロナ退散と手を合わせ。