インターネットのブログで「反社会的勢力と関係がある」と書かれた東京都の男性が、政治団体代表を相手取り、投稿をやめるよう求めた仮処分申し立てに対し、東京地裁立川支部は、将来にわたって同様の情報発信を禁じる決定をした。3月24日付。専門家は「将来の投稿への差し止めは珍しい」としている。
決定によると、男性は仮処分申し立てに先立つ発信者情報開示の手続きで、ブログの発信元を特定し、裁判所が削除を命じたが、その後も投稿が続いた。決定理由で平井美衣瑠裁判官は「同様の活動をする意思は強固で、情報発信が継続される可能性は極めて高い」と述べた。
投稿内容は事実に反し、断定的で穏当さを欠いているとして「政治活動や表現の自由として許容される範囲を逸脱する」と指摘。男性の名誉を傷つけ、平穏に生活する権利を侵害すると判断し「発信を禁止する必要性が認められる」とした。