海底に眠る戦争遺産展 福岡・筑前町立大刀洗平和記念館

海底に眠る特攻機のエンジンの写真(左)と水中写真家の戸村裕行さん
海底に眠る特攻機のエンジンの写真(左)と水中写真家の戸村裕行さん

 今も海底に沈む先の大戦時の戦艦や航空機を撮影した水中写真展「群青の追憶~海底に眠る戦争遺産を追う」が、福岡県筑前町の町立大刀洗平和記念館で開かれている。沖縄本島北部に沈む米海軍の駆逐艦「エモンズ」は、旧陸軍大刀洗飛行場の教官で操縦士が編成された特別攻撃隊「誠飛行隊」の攻撃によって破壊されたことが分かっており、エモンズと誠飛行隊に関する企画展も同時開催されている。7月25日まで。

(永尾和夫)

 撮影したのは、埼玉県在住の水中写真家、戸村裕行さん(39)。戸村さんは平成22年夏、水深40メートルの海底に横たわるエモンズに初めて出合い、その迫力に圧倒された。その後、何回も現地を訪れ、同艦の歴史や乗組員の思いなどを調べ、戦争遺産を記録し伝えようと思ったという。

 以来、水生生物を撮影する一方で、激戦が展開された太平洋一帯に眠る戦争遺産の記録をライフワークとしてきた。ソロモン、ラバウル、サイパン、パラオ、グアム、小笠原などで撮影し、記録した戦争遺産は150カ所に上るという。

 エモンズは、沖縄戦に参戦していたところ、昭和20年4月6日、日本軍の特攻攻撃を受けて大破し航行不能に陥った。このため、米軍によって沖縄本島・古宇利島(こうりじま)沖で海没処分された。平成22年には、エモンズのすぐ近くから、日本軍機のエンジン部分が見つかり、陸軍の「九八式直接協同偵察機」のものと判明。宮崎県の新田原飛行場から飛び立った「誠飛行隊」26人が乗った特攻機の中の1機のものと分かった。誠飛行隊の操縦士は終戦直前、飛行学校があった福岡県南部の旧陸軍大刀洗飛行場の教官で編成されていた。