ミャンマーの10武装勢力、デモ隊支援で一致 国軍に「包囲網」

 1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国軍に抗議して憲法の冊子を焼くデモ参加者(AP)
 1日、ミャンマー・ヤンゴンで、国軍に抗議して憲法の冊子を焼くデモ参加者(AP)

 【シンガポール=森浩】国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーで、少数民族武装勢力の間で国軍に反発する動きが強まっている。代表的な10勢力が3日にオンライン会議を開き、デモ隊支援で一致。国軍に対抗する姿勢を鮮明にした。民主派には武装勢力との連携で国軍包囲網構築を模索する動きもあるが、国軍に弾圧強化の口実を与えかねないだけに、慎重な意見もある。

 ミャンマー(ビルマ)は1948年、英国の植民地から独立したが、人口の7割を占めるビルマ族中心の政権運営が続いた。これに反発した少数民族の一部が武装し、自治権拡大などを求めて国軍と戦闘を続けてきた。現在、主な武装勢力は20程度あり、各地で影響力を持ち、政府の権限が及ばない地域もある。

 3日にオンライン会議を開いた南東部カイン州のカレン民族同盟など10勢力は2011年の民政移管以降、政府との停戦協定に署名していた。過去に交戦した経緯から国軍への反発が根強く、発生直後からクーデターを批判。オンライン会議では停戦協定を「再検討」する方針を確認し、国軍に対し、拘束中の政治家を解放するよう求めた。

 国軍も少数民族対策を重視し、10勢力に含まれていない西部ラカイン州のアラカン軍の「テロ組織指定」を解除するなど一部を取り込む動きに出ている。一方、3月末からカレン民族同盟の拠点を断続的に空爆するなど、反発の押さえ込みに苦慮している。

 アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)議員らが臨時政府として組織した「ミャンマー連邦議会代表委員会」(CRPH)は自治権拡大を打ち出して武装勢力に接近を試みており、連携が深まれば国軍への有力な対抗軸となる可能性がある。

 ただ、武装勢力ごとに温度差があり、CRPHとの連携でまとまることは難しい。国軍は武装勢力との戦闘を通じて発言力を高めてきた経緯があり、「武装勢力との連携は市民の大弾圧につながる」(地元ジャーナリスト)との声も強い。

 また、10勢力に含まれない有力武装勢力には、中国国境近くのカチン州に拠点を持つカチン独立軍などがあり、中国の影響が強い。一部勢力には中国が武器を提供しているとされる。ミャンマー情勢の不安定化を避けたい中国が国軍包囲網をどう判断するかは不明で、武装勢力とデモ隊の連携には不透明さが漂う。