近親者コロナ 子供に異変 大阪府立大調査

 また家庭の苦境は、相談やトラブルといった形で顕在化していた。東京や大阪、京都など感染が拡大した都市部を中心に、DV(家庭内暴力)や子供のゲーム依存などの相談が増加。こうした地域では学校が対応した虐待の件数も、最長3カ月に及んだ全国一斉休校明けの昨年6月、前年同月比で4倍超に増えていた。

 一斉休校が明けた後の状況については、3人に1人の子供が「通学がつらい」と答えた。休校や支援機関が訪問を避けたことなどで家庭が孤立して親の負担感が増し、子供の自己肯定感や通学意欲が失われたとみられる。

 警察庁のまとめでは、昨年自殺した小中高生は前年から100人増え、過去最多の499人だった。ただ、精神面で危機的な状況に置かれていることを子供本人は自覚せず、潜在化しているケースは多いとみられる。

 今回の調査結果は全国の自治体に送付する。山野教授は「休校の影響は思っている以上に深刻だ。トラウマとなった出来事を子供が吐き出せる場をつくるなど、トラウマケアをできるだけ早く行う必要がある」と話している。(西山瑞穂)

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