大学入試の在り方を議論する文部科学省の有識者会議は2日、記述式の出題は大学の個別入試で促す方向でおおむね一致した。大学入学共通テストでの実施は現実的ではないとの意見が大勢を占めた。高校の新学習指導要領で学んだ高校生が受ける令和7年1月以降の共通テストでの記述式導入は断念が濃厚となった。
今年1月にスタートした共通テストは、改革の目玉として国語と数学で記述式を出題し、英語の民間検定試験を活用する予定だった。ただ、公平性が担保されていないなどの批判が上がり、元年11~12月にいずれも実施を見送った。
文科省が国公私立大の学部ごとに尋ねた調査では、共通テストの記述式に否定的な回答が8割を占めた。昨春入学者の一般入試では、テスト全体のうちで記述式が出題されたのは、国公立大は9割を超えたが、私立大は5割ほどだった。