ウイグル人元収容女性、性的暴行や虐待の実態を証言

 尋問での暴力にも苦しんだ。尋問は3日間続くこともあり「お前は米国のスパイか」などの質問が延々と続いた。尋問中は飲食や睡眠が一切許されず、ズヤウドゥンさんが思わず「(尋問を続けるなら)私を殺してくれ」と叫ぶと、殴り倒された。ブーツで胸や腹を踏まれ、意識を失った。

 別の日には、監視カメラのない薄暗い部屋に突然連れて行かれ、顔に黒いマスクをかけた数人の男に強姦された。さらに、電気棒のようなものを体内に入れられ、「体が内側からえぐられるような衝撃を受け、何回も気絶した」という。そういった性的暴行を計3回受けた。

 収容された当初は3食の食事が提供されたが、7~8月ごろから2食になった。薄いスープやおかゆのようなものしか出されず、空腹に苦しんだ。ある日、空腹で立てなくなったズヤウドゥンさんに看守がカビの生えたパンを持ってきたが、別の女性収容者がそれを奪い取ってしまった。

 それでも、ズヤウドゥンさんはこう振り返る。

 「当時、飢えることは深刻な問題ではなかった。飢えよりも、恐ろしい虐待があったから。空腹で死んでいいとさえ思った」

収容者をランク分け

 収容所では「早朝から、中国共産党をたたえる歌を斉唱させられた」と明かす。イスラム教の習慣を捨てることを求められ、中国語などを学ぶ授業への出席を強要された。授業では、中国政府の幹部の名前を暗記させられ、「習近平国家主席を信じろ」とたたき込まれた。 

 中国の象徴である龍が地球を飲み込む様子を捉えた絵を収容所の壁に描かされる収容者もいた。ズヤウドゥンさんは「収容所では、中国が世界をコントロール下に置くと繰り返し聞かされた」と打ち明ける。

 ズヤウドゥンさんらが収容所の方針に従い続けたのは、反抗すればさらにひどい扱いを受けるという「ルール」があったためだ。