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正統性に疑いのない皇位継承を 葛城奈海

延び延びになっていた皇位継承の在り方を検討する有識者会議の初会合が、3月23日、ついに官邸で開かれた。旧宮家の男系男子の皇籍復帰や養子縁組に関する考え方、内親王や女王に皇位継承資格を認めるかなど計10項目の論点について、6人の有識者メンバーらから考え方を聴くという。

これまでにもたびたび本欄で記してきた通り、126代の天皇は、お一方の例外もなく、父親の父親の父親…とたどると初代神武天皇に繋(つな)がる「男系」で紡がれてきた。これを万世一系という。有識者会議のヒアリング項目の中には、皇位継承資格を女系に拡大することや、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについてどのように考えるかといった内容が見られるが、仮にこれらが肯定されれば女系天皇、つまり「男系でない天皇」が誕生することに繋がる。これはつまり、王朝の交代であり、万世一系という一本の縦糸で繋がってきた歴史の断絶を意味する。そうなったとき、果たして日本は日本でありつづけられるのだろうか。

そうした危機感から不肖葛城が会長を務める「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」では1月末、作家の竹田恒泰氏を招いて講演会を開催した。その中で、刮目(かつもく)させられたのは、「仮に女系天皇が成立すれば、ある人は天皇と認め、ある人は認めないという事態が生じる。それでは、日本国民統合の象徴ではありえず、国家統治そのものが危うくなる」という言葉だ。内閣総理大臣は国会の指名に基づいて、天皇によって任命され、各種の法律も天皇によって公布される。国家統治の正統性を担保しているのが、日本国の要である天皇陛下のご存在なのだ。

どのような思想の持ち主であれ、陛下が天皇であること自体を否定したり、疑念を抱いたりする人はいないであろう。その正統性の根拠こそ、古来お一方の例外もなく男系で継承されてきたという事実に他ならない。だからこそ決してゆるがせにしてはならないのだ。

有識者会議のメンバーには、ぜひともこの点を重く受け止め、真摯(しんし)に議論を進めてもらいたい。

【プロフィル】葛城奈海

かつらぎ・なみ やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、ジャーナリスト、俳優。昭和45年、東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。著書(共著)に『大東亜戦争 失われた真実』(ハート出版)。