総務相不信任案提出の野党、日程闘争に慎重「18連休」批判の苦い記憶 - 産経ニュース

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総務相不信任案提出の野党、日程闘争に慎重「18連休」批判の苦い記憶

衆院事務総長へ武田良太総務相への不信任決議案の提出に臨む立憲民主党・辻元清美副代表(右)ら野党各党の議員=31日午後、国会内(春名中撮影)
衆院事務総長へ武田良太総務相への不信任決議案の提出に臨む立憲民主党・辻元清美副代表(右)ら野党各党の議員=31日午後、国会内(春名中撮影)

 立憲民主など4野党は31日、年度末までに成立が必要な令和3年度予算関連法などの成立を待ったうえで、衆院に武田良太総務相に対する不信任決議案を共同提出した。決議案の提出が他の審議を遅らせ、新年度からの国民生活に影響を及ぼすのを避ける狙いがあった。野党は3年前の審議拒否戦術で「18連休」と批判された苦い記憶もあり、審議拒否とみられないよう神経をとがらせている。

 立民の福山哲郎幹事長は31日、提出に先立ち共産、国民民主、社民の幹事長らと会談。国民の榛葉賀津也幹事長に「なぜこのタイミングなのか」と問われると、「国民生活に影響のある(予算関連法などの)日切れを全て通し、そこで責任を問う」と答えた。

 2月4日に週刊文春が総務省幹部の接待問題を報じて以降、野党は3月26日まで続いた衆参予算委員会で武田氏の責任を追及してきた。与党からは「なぜ予算委が紛糾しているときではなく、今提出するのか」といぶかる声があがる。

 立民幹部は「これだけ武田氏を追及してきたので野党の考えを形(同決議案)で示すことは必要」と語る一方、「今日出したのは、予算関連法が成立した区切りに予算審議を総括するためと、日程闘争はしないという意思だ」と明かす。

 決議案は31日午後に提出され、衆院では内閣委や経済産業委が中断した。ただ、4月1日に衆院本会議で否決された後、国会は正常化する見通しだ。「新型コロナウイルス禍に日程闘争は世論の支持は得られない」との野党内の慎重論にも配慮した。

 政府は同日にも、衆参の議院運営委員会で特別措置法に基づく「蔓延防止等重点措置」を適用するための報告を行う予定だが、立民関係者は「不信任案を提出しても一連のスケジュールに影響を与えない」と語る。

 旧立民など野党は平成30年春、財務省の決裁文書改竄問題などをめぐり審議拒否を続けた。この国会戦術が「18連休」と批判され、野党内でも「失敗だった」とひんしゅくを買った。

 昨年来のコロナ禍では、特に審議拒否との批判に敏感になっている。今年3月、政府提出法案のミスを受け法案審議を中断した野党の姿勢を「審議拒否」と表現した報道を、立民の安住淳国対委員長は「一部のマスコミは『審議拒否』と何十年も前からの常套句を使う」と批判した。目前に迫る衆院選を前に、過去の染みついた印象を払拭したいようだ。(田中一世)