浪速風

思うだけでも

キリスト教は「思うだけで罪」になることもあると説く。宗教とは縁遠い小欄だが、心の中を点検しながら罪ある行いに堕してしまうのを避けるための言葉だと解釈している。そのようにして清廉潔白であり続けることは相当難しそうだ。が、社会的に立場のある人にとっては実用的な警句かもしれない

▶思ったことを言っただけ、SNS(会員制交流サイト)に書いただけ、でも内容によっては厳しく批判される。誰かを傷つけているだけでなく、背景に罪な考えがあると多くの人が感じ取っているからだろう。あらゆる言葉が瞬時に拡散される今、「思う」ことの重みが増している

▶とはいえ、人間関係はそう単純ではない。マッチポンプの炎上商法などは別として、罪に気づいて思い直した人や、発言を注意され行動に移さなかったケースまでとがめ立てするようでは窮屈だ。「過ちては則ち改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」を実践するチャンスも十分にあってほしい。