大阪が蔓延防止措置の試金石となるか

マスク姿でJR大阪駅前の横断歩道を渡る人たち=29日午後5時53分、大阪市北区 (安元雄太撮影)
マスク姿でJR大阪駅前の横断歩道を渡る人たち=29日午後5時53分、大阪市北区 (安元雄太撮影)

 新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)への警戒感が強まる中、大阪府の吉村洋文知事が29日、緊急事態宣言に至る前に強い対策ができる蔓延防止等重点措置の適用を求める考えを表明した。政府が営業時間の短縮(時短)要請に苦労した経験なども踏まえ、措置が適用された場合は、どのように機能するかも注目される。感染の予兆をつかむモニタリング検査の効果なども焦点となりそうだ。

 「昨晩も吉村氏らと連絡を取り合った。大阪は午後9時までの時短の範囲を広げる予定だが、しっかりそうした取り組みに協力し、感染を抑えていきたい」

 西村康稔経済再生担当相は29日、記者団にこう語り、措置を求める大阪と緊密に連携しながら、対策を強化する考えを示した。

 措置は、今年2月に改正された新型コロナ対応の特別措置法で新設された。知事は緊急事態宣言の発令前でも飲食店などに時短を命令でき、違反すれば過料を科すこともできる。

 時短は引き続き対策の柱だ。首都圏の1都3県は午後9時までの時短要請を来月21日まで延長する。

 政府は昨年4月、初の宣言発令に踏み切った。コロナ対策の司令塔だった安倍晋三前首相や西村氏は、宣言前には事業者に緩やかな「要請」しか行えないという、改正前の特措法の使い勝手の悪さを感じていた。

 西村氏の進言を受けた安倍氏は同年8月、「できるなら有効な手段になる」として、特措法の改正を検討するよう指示した。 

 これまでも、政府は感染が拡大していく経緯などを分析したうえで、時短を有力な対策の柱と位置づけてきた。政府の新型コロナ対策推進室は、西村氏の指示のもと、スーパーコンピューターなどを使い昨年4月以降の歓楽街の人出と新規感染者数の関係を分析。午後8時以降の人出が多いほど、約2週間後の新規陽性者数が多くなるという結果が出た。

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