新種のゲンゴロウ発見、展示中 アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

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FIGHT10いきもの巡り

 福島県の中央にある当館では、「おもしろ箱生物多様性の世界」のコーナーに県内に生息するゲンゴロウを中心とした水生昆虫約40種類を展示しています。ほかにも、南西諸島に生息する水生昆虫、国内では絶滅してしまった種、環境省で「種の保存法」に指定されている種など、さまざまなゲンゴロウの仲間を展示しています。今回ご紹介するのは、見つかったばかりの新種。どんな種かというと…。

 日本昆虫分類学会の学会誌で新種のゲンゴロウが発表されたのは、昨年の12月末。まだ3カ月前のことです。体長3・5ミリの小さなゲンゴロウで、和名を「ヒラサワツブゲンゴロウ」といい、学名は「Laccophils hebusuensis(ラッコフィルス ヘブスエンシス)」。発見場所でもある福島県川内村にある平伏(へぶす)沼から命名されました。

 この平伏沼は、標高842メートルの平伏山山頂にある面積1200平方メートルの沼で、モリアオガエルの繁殖地として国の天然記念物にも指定されています。「カエルの詩人」としても有名な草野心平が、かつて、たびたび村を訪れ沼にも足を運んだそうです。近くには、心平の歌碑《うまわるや 森の蛙は 阿武隈の 平伏の沼べ 水楢のかげ》があることでも知られています。

 村では、モリアオガエルの繁殖期の6月中旬になると毎年、観察会が開催されます。令和元年の観察会には私も講師の1人として参加させていただき、このゲンゴロウを採集したのです。その時は、知られていた他のゲンゴロウだろうと思っていました。ところが、この仲間の県内分布調査を進めていて、「交尾器」と呼ばれる器官を顕微鏡で観察したところ、これまで知られていた種とは形が微妙に違うと感じました。