死を議論する「死生懇話会」で多死社会に向き合う行政

死を議論する「死生懇話会」で多死社会に向き合う行政
死を議論する「死生懇話会」で多死社会に向き合う行政
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 少子高齢化や核家族化を背景に進む葬儀や墓の小規模化・簡素化は新型コロナウイルス禍で加速した。そんななかで誰にでも訪れる「死」との新しい向き合い方を正面から議論するため、滋賀県が設けた「死生懇話会」が大きな反響を呼んでいる。公的機関が極めて個人的なテーマを扱うことへの抵抗感も出たが、県トップは「コロナ禍で命の大切さを実感したからこそ、やるべきだ」と言い切る。(花輪理徳)

リビングに墓石

 コロナ禍で葬儀の簡略化や少人数化が進んだとされる。実際、終活関連のウェブサイトを運営する鎌倉新書(東京都)が昨秋にまとめた調査では、回答した葬儀会社120社のうち、80%以上が「新型コロナウイルスの影響で葬儀の規模は縮小したし、今後も縮小すると思う」と回答。ビデオ通話アプリなどを使って遠隔で参列する「オンライン葬」や、火葬場から遺骨を持ち帰らない「ゼロ葬」に注目が集まるなど、葬儀の簡略化・バーチャル化の動きがコロナ禍を機に広がりをみせた。

 こんな動きに「待った」をかけるのが明治15年創業の「浦部石材工業」(滋賀県豊郷町)の4代目、浦部弘紀社長(49)だ。

 浦部社長が考案した「宅墓」はその名の通り、自宅で身近に故人をしのぶための墓だ。A4サイズの台座に、高さ14・2センチ、幅12・2センチ、奥行き12・2センチの四角い墓石を骨壺を覆うように置く。インテリアとしてリビングにもなじむデザインになっており、発売から約5年間で約350基を販売しているという。