「元同級生の手紙」母親支え 尼崎踏切衝突死6年 

現場に置かれていた手紙の写しを前に取材に応じる山内美輝さんの母、千恵子さん=兵庫県尼崎市(沢野貴信撮影、一部画像処理しています)
現場に置かれていた手紙の写しを前に取材に応じる山内美輝さんの母、千恵子さん=兵庫県尼崎市(沢野貴信撮影、一部画像処理しています)

 《本当に、山内美輝は素晴らしい人です。

 前も、今も、これからも山内を忘れる人はいないでしょう》

 平成27年3月、兵庫県尼崎市で乗っていた自転車をバイクに押されて踏切内に進入させられ、電車に衝突して死亡した山内美輝(よしき)さん=当時(16)=に宛てて、現場に供えられていた手紙の一文だ。28日で事件から丸6年。差出人のわからないこの手紙に救われてきたという美輝さんの母、千恵子さんは「美輝のことをいちばんきちんと書いてくれて、読むたび姿を思い出せる。ありがとうと言いたい」と話す。

現場に供えられ

 「山内へ どうも、初めましてですね」という書き出しで始まる「手紙」はシステム手帳の用紙4枚に書いたとみられ、差出人は「山内のことが大好きな元同級生の内1人」。事件翌日、現場のJR福知山線の踏切(兵庫県尼崎市南清水)に供えられているのを美輝さんの姉が見つけた。

 ただし美輝さんの棺(ひつぎ)にいっしょに入れられたのか、千恵子さんの手元にはコピーしか残っていない。

 事件は27年3月28日午後5時ごろに発生。加害者の元少年(22)=傷害致死罪などで懲役4~6年の不定期刑が確定=は、右足で美輝さんの自転車を押しながら、踏切の約200メートル手前からバイクを走らせた。遮断機が下りた踏切の手前で元少年は足を離したが、自転車は猛スピードで踏切に突入させられ、美輝さんは快速電車にはねられた。千恵子さんによると、元少年と美輝さんは知人を介して互いの顔と名前を知っている程度だったという。

 元少年が逮捕されたのは事件から8カ月以上もたった同年12月。それまでの間、千恵子さんはさらにつらい思いを強いられた。最もひどかったのは「男子高校生(美輝さん)は遮断機をくぐって、踏切内に入ってきたという」と書かれた翌日の新聞記事だった。

会員限定記事会員サービス詳細