溶岩流「富士山が見えない地域」にも 噴火想定、山梨・桂川を下る

山梨県の富士山麓から流れる桂川。溶岩流がここを下り、大月市や上野原市に達する恐れがある=同県西桂町(渡辺浩撮影)
山梨県の富士山麓から流れる桂川。溶岩流がここを下り、大月市や上野原市に達する恐れがある=同県西桂町(渡辺浩撮影)

 山梨、静岡、神奈川県などでつくる富士山火山防災対策協議会が26日発表した富士山ハザードマップ(災害予測地図)改定版では、山梨県内で新たに大月市、上野原市の中心部など「富士山が見えない地域」も新たに溶岩流到達想定範囲となった。都留市への到達予測時間も大幅に早まった。避難計画の見直しが急務となる。

 改定版では、溶岩流が桂川を流れ、最も早い場合、大月市に噴火から36時間、上野原市に153時間で到達するケースがある。さらに、神奈川県境を越えて相模原市緑区まで達するとしている。

 前回の平成16年版では都留市への到達は8日~約40日とされていたが、改定版では最短で7時間半となり、市役所到達は最短14時間15分とされた。先月、災害拠点病院に指定されたばかりの市立病院にも被害が及ぶ恐れがある。

 市の危機管理担当者は「現行の避難計画は市内に逃げることを想定しているが、市外避難を考えなければならず、県と一緒に広域的な対応を考えたい」と話した。

 この日の協議会は3県庁や市町村などをオンラインで結んで開催。山梨県庁では長崎幸太郎知事と、改定作業を行った検討委員会の藤井敏嗣委員長(元火山噴火予知連絡会会長)が参加した。

 藤井氏は終了後の記者会見で「噴火口を予測することはできず、噴火後すぐに把握して避難場所の判断をしなければならない。普段から考えるためにハザードマップを活用してほしい」と語った。

 長崎知事は「改定版では被害想定が大きく変化しており、広域避難計画の改定に速やかに取り組む」とのコメントを発表した。

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 ■富士山ハザードマップ 富士山の噴火に備え、想定される火口範囲や溶岩流、火砕流などが到達する危険のある範囲を示した災害予測地図。平成12~13年に富士山直下で低周波の地震が多発したことをきっかけに、16年に策定され、山梨、静岡、神奈川3県の広域避難計画にも反映されている。新たな知見を踏まえた改定作業が30年度から行われていた。