漫画の海賊版が再び拡大 サイト相次ぎ被害急増、「漫画村」超す (1/2ページ) - 産経ニュース

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漫画の海賊版が再び拡大 サイト相次ぎ被害急増、「漫画村」超す 

 漫画の海賊版被害が再び拡大している。悪質性が際立っていた海賊版サイト「漫画村」が3年前に閉鎖されて以降も、新たな海賊版サイトが次々と誕生。コロナ禍の昨年12月の推定被害額は349億円で、1年足らずの間に9倍に急増した。対策担当者は「漫画村の最盛期を超える最悪な状況になってしまった」と危機感をあらわにする。(文化部 本間英士)

アクセス10倍超

 「『漫画村』当時と比べて通信・IT業界などとの連携が深まったし、対策も繰り返し行ってきた。それだけに、これだけ数字が伸びたのはショックでした」

 出版社や通信事業者などで構成される海賊版対策団体「ABJ」の担当者は、こう振り返る。

 ABJは海賊版サイトのアクセス数などを調査。利用者の多い上位3サイトの場合、アクセス数は1年で10倍以上に膨張した=グラフ。計測可能なサイトで「タダ読みされた金額」として推定被害額も算定したところ、昨年1月に39億円だった推定被害額は、12月には349億円と急増。年間では2114億円に達するという。

 この数字にはデータを端末に保存して閲覧する「ダウンロード型」サイトは含まれていない。推定総被害額は、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が試算する「漫画村」の推定被害額(3200億円)を間もなく超えるとみられる。

 被害拡大の背景には、コロナ禍で在宅時間が増えたことや、コミック市場の好況などがある。出版科学研究所の調査では、昨年のコミック市場規模は前年比23・0%増の6126億円。昭和53年の統計開始以来、最大となった。海賊版の存在は歴史的好況に冷や水を浴びせる形となっている。

 現在、ABJが把握している海賊版サイトは900ほど。「鬼滅(きめつ)の刃」などの人気作を抱える集英社の場合、1カ月当たり約10万件の削除申請を海賊版サイトや検索サイト、ユーチューブ、フェイスブックなどに実施している。ただし、「海賊版サイトを20個つぶしても、またすぐに別の20個が現れる」(同社知財担当者)状況が続くなど、出版社も対策に苦慮している。