M資金詐欺 起訴内容全面否認 横浜地裁初公判 

横浜地方裁判所=横浜市中区
横浜地方裁判所=横浜市中区

 先の大戦に敗れた日本を統治したGHQ(連合国軍総司令部)が接収したとされる巨額資産「M資金」を提供すると嘘を言い、飲食チェーン運営会社会長から現金計約31億2千万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた東京都港区の無職、武藤薫被告(66)の初公判が25日、横浜地裁(橋本健裁判長)で行われた。武藤被告は「被害者とは会っていない。会っていない人からお金を取るのは当然無理な話だ」と起訴内容を全面否認し、無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、武藤被告が「マックアオイ」という偽名を使い、男性に事業計画書の提出を求めるなどして「M資金」を提供できるかのように信じ込ませていたと指摘。また、男性から詐取した現金は、自身の投資資金に充てていたと述べた。弁護側は全面的に争う姿勢を見せた。

 起訴状などによると、武藤被告は平成29年9月ごろから30年9月ごろまでの間、会長に「M資金」を提供できると嘘を言い、資金提供の手数料などの名目で、5回にわたって現金計約31億2千万円をだまし取ったとしている。この事件をめぐっては、神奈川県警が会長を勧誘した男2人も逮捕したが、いずれも不起訴となった。