聖火リレー つなぐ想い

アスリートのために準備万端  

フルマラソン3時間8分台の加島長八さん。後方は看板商品に使うサケの模型=新潟市中央区(本田賢一撮影)
フルマラソン3時間8分台の加島長八さん。後方は看板商品に使うサケの模型=新潟市中央区(本田賢一撮影)

新潟 ランニング愛好家の老舗社長 加島長八さん(56)

 一日は、朝5時半から約1時間のランニングで始まる。フルマラソン(42・195キロ)のベストタイムは3時間8分台。約1年半前に出場した北海道の大会で記録し、50代の部で3位に入った。

 走ることが何よりも好きで、憧れていた聖火ランナー。自らが生まれた昭和39年に続き、再び巡ってきた東京五輪への強い思いを応募用紙の動機欄につづった。選ばれたときは「正直うれしかった」と笑顔をみせる。

 「さけ茶漬」や「いくら醤油(しょうゆ)漬」で知られる海産物加工食品の老舗、加島屋(新潟市中央区)の社長を務める。学生時代に陸上競技の経験はなく、運動は体育の授業くらい。ダイエットのため50歳だった約6年前にランニングを始め、走れば走るほど体重が減っていくので面白くなり、のめり込んでいったという。

 令和元年は、フルマラソンの大会に7回出場。「本番に向けて準備は順調だったので五輪の延期は残念だったが、1年後に走れればいいと頭を切り替えた」

 それからの約1年間はランニングを毎日欠かさず、衛星利用測位システム(GPS)機能を活用したアプリを通じてタイムを競うリモートのマラソン大会にも参加し、モチベーションを維持してきた。新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せない中、現在の心境を「リレーが近づいてきた期待感と不安が入り交じっている」と明かす。

 走りたいコースは、名所が集まる新潟市の中心部。信濃川沿いの広場「万代テラス」をスタートし、国の重要文化財で県のランドマークでもある万代橋を渡った後、北前船の寄港地として栄えた港町の風情を残す古町を通り、市陸上競技場のメインスタンド前までに至る約3キロだ。

 もちろん、希望がかなわなくても「アスリートを東京五輪・パラリンピックにつなぐ一員として、任された区間をしっかり走りたい」。

 (本田賢一)

加島長八(かしま・ちょうはち)】 昭和39年、新潟市出身。東海大教養学部卒。横浜市の建材商社に勤務後、安政2(1855)年創業で家業の加島屋に入社。専務などを経て5代目として平成18年5月から社長。社是は「正直、親切、感謝」。スキューバダイビングも趣味の一つ。

会員限定記事会員サービス詳細