【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(68)は23日、夫人とともにソウル市内の保健所で、英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種した。6月に英国で開かれる先進7カ国(G7)首脳会議に出席するためだとしているが、国内外で広がっている同社製ワクチンへの不安感を払拭する狙いもあるようだ。
韓国では、この日から65歳以上を対象にしたワクチン接種が始まったが、同社製ワクチンをめぐっては、高齢者への有効性に懐疑的な見方があったほか、接種後に血栓が生じる症例が報告され、不安が広がっていた。接種に先立ち、文氏は「ワクチンの安全性に少しも疑いを抱かず、接種に応じてほしい」と国民に呼びかけた。