克行議員初の被告人質問

(6)「是非お聞きしていただきたい」 県連の代わりに党勢拡大と主張

 《克行被告は目線を遠くにやった。思いをめぐらせているようだ》

 克行被告「一昨年は県連大会が無期延期になりました。参院選に向かって党の結束を訴える絶好の機会だったのに、溝手(顕正)先生の隣に河井案里を並べたくないと県連会長が決めたと聞きました。全国で開かれなかったのは広島だけです」

 「他には、県連のホームページに河井案里の情報が一切ありませんでした。溝手先生の公認のみです。それから…」

 《次から次へと県連の「案里外し」エピソードを挙げていく克行被告。「さらに」「それから」「あるいは」と言葉を継ぎつつ4つの例を披露し、言い終わると「今となっては懐かしい」と感傷に浸った。検察官、裁判官は、手元や証言台の方を見ながらひたすら聞いている》

 弁護人「被告人や案里さんが主体となって(本来は)県連がする党勢拡大をしないとならなかったと」

 克行被告「全くその通りです」

 弁護人「県内の案里さんの知名度は」

 克行被告「知事選で立候補したので一定程度の知名度はありましたが、無所属で出馬した。今回は自民党公認の河井案里だから、有権者の頭の中ですぐに結びつかないのではないか。まして比較的若い女性で、野党系と受け止められていたかもしれないと」

 《自民党公認候補としての知名度に不安を持っていたとする克行被告。県連の協力も得られず、自らが選挙活動に力を入れる必要があった、という趣旨のようだ》

 弁護人「自民党の大方針は、広島で2議席」

 克行被告「間違いない。県連のホームページと裏腹に党本部では溝手先生と案里を紹介いただいた。党本部のパンフレットにも2人。(当時の)安倍晋三総裁が広島に来たときも溝手先生と河井案里の2人を応援した。決してどちらか1人ではなかった。選挙後に妻が官邸に行った際、安倍(晋三)総裁は『2議席獲得できなかったのが残念だった』といった」

 弁護人「外部向け(のメッセージ)は」

 克行被告「案里が公認される前から、広島は2人とすべきと訴えていた。2人で競争して切磋琢磨(せっさたくま)しないと、あぐらをかくようなことをしていては、いくら広島で自民の基盤が強固でもいけないと思っていた。別に私は、妻が2人目に公認されたから党勢拡大をしたわけではない」

 《克行被告は、夫としてではなく、あくまで広島3区支部長としての立場を強調する》

 克行被告「私の責任を果たすため、3区の緊急報告会で妻だけでなく溝手先生の2人が公認されたことの意義を、すべての会場で訴えました。河井案里講演会でも支部長として理解してほしいと説明した。企業を回り2人当選しないといけないと訴えました」

 弁護人「案里さんではなく、有望な政治家として公認をしたと」

 克行被告「はい」

会員限定記事会員サービス詳細