花田紀凱の週刊誌ウオッチング

〈814〉文春スクープへの違和感

東京五輪関連イベントに参加したお笑い芸人の渡辺直美さん=令和元年5月、東京都港区(三尾郁恵撮影)
東京五輪関連イベントに参加したお笑い芸人の渡辺直美さん=令和元年5月、東京都港区(三尾郁恵撮影)

今週も『週刊文春』(3月25日号)の勢いが止まらない。

トップが「『渡辺直美をブタに』五輪『開会式』責任者 女性蔑視を告発する」。2番手が「武田総務大臣もNTT社長と会食していた」。

トップは缶コーヒーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」シリーズや、ソフトバンクの「白戸家」シリーズなど多くのヒットCMを生んだ〈業界の大物〉佐々木宏氏が、開会式の責任者となり、出してきたプランが、〈「『オリンピッグ』というダジャレから、渡辺さんをブタに見立てた案を持ち出してきたのです」(演出を担うメンバーの一人)〉

発売当日、当の佐々木氏は辞任。

2番手は昨年11月11日、パレスホテル東京6階の日本料理店でNTT社長と武田良太総務大臣、JR東海名誉会長の葛西敬之氏らが会食したというもの。

たしかに両方ともスクープには違いないが、何か違和感が拭えない。

「開会式」の記事では佐々木氏のLINEまで公開。ベッキー不倫事件の時もそうだったが、他人のLINEを無断で公開していいのか。

武田大臣の記事について言うと、『文春』自体、〈NTTと総務省の間で一体何が行われてきたのか〉と書いている。

大臣とNTT社長が会食をして何が問題なのか。会食で親交を深め、情報交換をして悪いわけではない。

が、ネットや野党はこれで大騒ぎ。

『文春』がそれを当てにして記事を書いているところが嫌なのだ。

『週刊新潮』(3月25日花見月増大号)はトップが「『メーガン妃』に酷似『眞子さま』を操る『小室圭さん』」。ちょっと目を引くタイトルだが、〈酷似〉というほどではない。

ノーベル賞の大村智博士が開発した疥(かい)癬(せん)のクスリ、イベルメクチンがコロナに有効という説に肩入れしている『新潮』。今週も「『変異ウイルス』でも『第4波』襲来でも『イベルメクチン』で命を守れる」。何かと評判の悪い東京都医師会の尾崎治夫会長まで推奨しているというのだが。

この時期の『週刊朝日』(3・26)『サンデー毎日』(3・28)は大学入試情報誌だから普段にも増して読むところがない。

(月刊『Hanada』編集長)