五輪、コロナ、醜聞…ハードル続く菅首相、くすぶる保守層の不満

五輪、コロナ、醜聞…ハードル続く菅首相、くすぶる保守層の不満
五輪、コロナ、醜聞…ハードル続く菅首相、くすぶる保守層の不満
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 菅義偉(すが・よしひで)首相の自民党総裁としての最大の命題は、次期衆院選で党を勝利に導くことだ。ただ、新型コロナウイルスの感染の「第4波」、海外からの一般観客の受け入れが見送られる東京五輪・パラリンピック、総務省の接待問題をはじめとするスキャンダルなどハードルも多い。ここへきて、岩盤支持層である保守層内に、保守が重視する課題に首相が積極的でないと不満もくすぶり始めた。

「自民党らしい政策が進まなくなった」

 首相は21日、東京都内で開かれた党大会で、「国民のために働く内閣として改革を進め、経済を力強く成長させていく」と強調し、「グリーン」(脱炭素)と「デジタル」をポストコロナ時代の原動力と位置付けた。実績を掲げ衆院選につなげたい思いがにじんだ。

 自民党はデジタル庁を設置するための法案の4月中の成立を目指している。党内には、成立直後の4月の衆院解散も含め、首相が解散時期の「フリーハンド」を握れるとの声もある。

 一方で、安倍晋三前首相の退陣以降、保守系議員の間に「自民党らしい政策が進まなくなった」との不満がある。

 選択的夫婦別姓の賛成派からの求めに応じる形で今月、党内に制度の是非を議論するプロジェクトチームが発足した。賛成派と反対派双方の議員連盟が立ちあがる予定になっており、党内で対立が深まりそうだ。

 自衛隊施設周辺など安全保障上の重要な土地の買収対策として検討している土地利用規制法案については、私権制限に慎重な公明党の反発を受け閣議決定が遅れている。過去に中国や韓国の資本が自衛隊施設近くの土地を買収した例があっただけに、経済安保に詳しい閣僚経験者は「首相の訪米を控え、日本が中国に対し毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ」と憤っている。

 憲法改正議論も進んでいない。衆参両院の憲法審査会では今国会で一度も実質的な議論をしていない。