すっかり日常のアルコール消毒 「幼児の背丈」噴射に注意 (1/2ページ) - 産経ニュース

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すっかり日常のアルコール消毒 「幼児の背丈」噴射に注意 

すっかり日常のアルコール消毒 「幼児の背丈」噴射に注意 
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、急速に普及したアルコールによる手指消毒。今や不特定多数の人が往来する施設や店舗の出入り口にはアルコール消毒剤が設置されるようになったが、噴射の位置がちょうど幼児の顔の高さにあたることが多く、目に入るアクシデントも発生。専門家は予防策の必要性を訴えている。(小林佳恵)

 公益財団法人「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)の調査によると、同法人の「中毒110番」には昨年、消毒剤や除菌剤が目に入ったことに関する相談が、265件寄せられた。平成28~30年までは、年に40件程度だったといい、令和2年はコロナ禍で急増した形だ。

 このうち5歳以下の子供の事故は187件。中には、店舗入り口の消毒剤を父親が使った際、近くにいた幼児の目に飛んだケースや、幼児自身が自動噴射型の消毒剤をのぞき込んだり、足踏み式の消毒剤のペダルを踏んだりしたことによる事故もあったという。

 店舗や公共の場にある消毒剤は、幼児の顔や背と同じくらいの1メートル前後の高さに設置されていることも多い。海外では消毒剤が子供の目に入り、入院に至ったケースも報告されている。

流水で洗う

 実際、幼児の目に消毒剤が入ると、どんな危険性があるのか。

 大宮はまだ眼科西口分院(さいたま市)にも、消毒剤が目に入ったとみられる乳幼児が来院した。院長で眼科医の福岡詩麻さんは「アルコール消毒剤は目の粘膜に有害。角膜(黒目)は神経が多い部位で、痛いと感じるのは危険信号。量や濃度によっては、角膜にびらんや潰瘍が生じる可能性もある。危険性は大人にとっても同じで、大人も子供もさまざまな場面で注意してほしい」と話す。

 万が一アルコール消毒剤が目にかかったときは、「すぐ、流水で目を洗ってほしい」と福岡さん。「それでも痛かったり、目が開かなかったりする場合には、その日のうちに眼科を受診してほしい」とする。

安全な環境を

 「子供に関わる事故は、1件起きればほかにも必ず、類似の事故が起きている。『保護者や周囲の人が気を付けましょう』で終わらせず、子供にとって安全な環境をつくることが必要だ」

 こう話すのは、子供の事故に関する啓発などを行うNPO法人「Safe Kids Japan(セーフキッズジャパン)」の理事長で、小児科医の山中龍宏さんだ。