立憲民主党の蓮舫代表代行が19日、参院予算委員会で約2カ月ぶりに質疑に立ち、菅義偉(すが・よしひで)首相と論戦を交わした。蓮舫氏は1月の予算委で首相に対する高圧的な言動が党内外で批判を浴びたが、この日は「トップは悩みながら判断をしなければいけないんだと思う」と首相の立場に理解を示すなど舌鋒鋭い「蓮舫節」は鳴りを潜めた。
「(緊急事態宣言の解除を)政府の政策の成果だと評価する声もあるが、『本当に解除して大丈夫か』と懸念の声が広がっているのも事実だと思う。本当に大丈夫か、今解除してしまって」
蓮舫氏は予算委の冒頭、政府への評価も交え、首相が21日の宣言解除を決めた見解をただした。首相は「そこは大丈夫だと思っている」などとかわしたが、蓮舫氏は「私たちは『ゼロコロナ』を提案している。今からでも(新型コロナウイルス予備費の)5兆円をこういうふうに使うから『安心してほしい』と示していただけないか」と提案路線での審議に臨んだ。
1月27日の参院予算委では、蓮舫氏は首相の新型コロナ対策に関する発信不足を繰り返し責め立て、「そんな答弁だから伝わらない」などと追及。首相に「少々失礼じゃないか。言葉が通じる、通じないとか私に要因があるかもしれないが、精いっぱい取り組んでいるところだ」と反撃され、党内からも顰蹙(ひんしゅく)を買い、常連だった予算委の質問者から約2カ月も遠ざかっていた。
そのせいか、この日の質疑では激しく責め立てる言動はほとんどなく、コロナ禍の中での学生支援に関し、「菅内閣も頑張っていただいた。できればこれを続けてもらいたい」と率直に評価する場面もあった。
ただ、首相に代わって答弁に立とうとした西村康稔経済再生担当相を制し、「首相にうかがっている」と連呼したり、首相との新型コロナ対策の見解の違いに「うーん、ずれますね」と漏らしたりするなど随所に普段の質問姿勢ものぞかせていた。