容姿侮辱演出の佐々木氏が辞任 五輪組織委、後任人事急ぐ

週刊誌報道を受け会見する東京五輪・パラリンピック大会組織委の橋本聖子会長(中央)と武藤敏郎事務総長(左)=18日午後0時13分、東京都中央区(代表撮影)
週刊誌報道を受け会見する東京五輪・パラリンピック大会組織委の橋本聖子会長(中央)と武藤敏郎事務総長(左)=18日午後0時13分、東京都中央区(代表撮影)

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、開閉会式で企画・演出の統括役を務めたクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)の辞任を発表した。「文春オンライン」が17日、佐々木氏が式典に出演予定だったタレント、渡辺直美さんの容姿を侮辱するような演出を関係者に提案していたと報道。佐々木氏は18日未明公表の謝罪文で辞意を表明していた。

 東京都内で18日に記者会見した橋本聖子会長は「このような出来事があってはならない」とした上で「大変申し訳なく思っている」と陳謝した。後任人事については「早急に進める」とする一方、「また一から作り直すのは困難」とし、新体制でも佐々木氏の演出案を基本的に生かしていく考えを示した。

 佐々木氏は謝罪文で、式典の演出スタッフに昨年3月に送信したLINE(ライン)で、ブタを模した渡辺さんを登場させるアイデアを提案したことを認め、「どのようにおわびをしてもしきれない」などとつづった。

 組織委では2月、森喜朗前会長が女性蔑視と受け取れる発言で引責辞任したばかり。橋本氏は「組織委がジェンダー平等推進を重要施策として掲げている以上、辞意を受け入れることとした」と述べた。

 渡辺さんは18日、所属の吉本興業を通じ「見た目を揶揄(やゆ)されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいている」としながらも「それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っている」などとコメントした。

会員限定記事会員サービス詳細