7世紀の筑紫地震「震災がれき」が出土 福岡・小郡市

割れた土器など「震災がれき」が見つかった廃棄土坑(福岡県小郡市教委提供)
割れた土器など「震災がれき」が見つかった廃棄土坑(福岡県小郡市教委提供)

 福岡県小郡市上岩田の「上岩田天神木遺跡」で、7世紀に筑後平野を襲った筑紫地震の震災がれきが出土した。近くには筑後国御原郡の役所跡「上岩田遺跡」があることから、被災した役所の震災がれきとみられる。同市松崎六本松地区の「松崎六本松遺跡」からは奈良時代の古代官道が発見されており、古代の災害復興や都市計画を考えるうえで貴重な手がかりとなりそうだ。

(永尾和夫)

 ■被災した役所移転

 筑紫地震は、福岡県南部の耳納山地北側を走る水縄(みのう)活断層により、天武7(678)年に引き起こされた地震。最大震度は6~7とみられ、筑後平野に大きな被害をもたらした。日本書紀にも震災の記述がある。

 今回、震災がれきが出土した上岩田天神木遺跡は、役所とみられる大型建物跡や仏堂跡が確認された上岩田遺跡から西500メートルの店舗建設予定地。昨年10月から発掘調査したところ、竪穴住居跡12棟、倉庫跡6棟のほか、ごみなどを捨てた廃棄土坑十数基が出土した。土坑は最大のもので長さ7メートル、幅4メートルあり、通常のごみ捨て場の2倍の大きさだった。

 土坑からは瓦や須恵器、土師器の破片のほか、すずりや朱墨も見つかっており、小郡市教育委員会は「役所と関係のある集落で、上岩田遺跡の震災がれきをまとめて捨てたのではないか」と推定している。

 上岩田遺跡の発掘調査では、建物の基壇から地震によるものとみられる亀裂が発見されたことから、上岩田の役所は地震によって倒壊したとみられている。