英、インド太平洋地域へ関与強化 核上限引き上げも - 産経ニュース

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英、インド太平洋地域へ関与強化 核上限引き上げも

英国のラーブ外相(画面内右)、ウォレス国防相(同左)との協議に臨む茂木外相(手前右)と岸防衛相=3日午後、外務省(代表撮影)
英国のラーブ外相(画面内右)、ウォレス国防相(同左)との協議に臨む茂木外相(手前右)と岸防衛相=3日午後、外務省(代表撮影)

 【ロンドン=板東和正】英政府は16日、2030年までの外交や安全保障などの政策を定めた「統合レビュー」を公表した。中国の台頭を踏まえ、インド太平洋地域について「世界の繁栄と安全保障に対する重要性が増大している」とし、同地域への関与を強化する方針を明記した。

 英国が長期的な外交・安保に関する政策を示すのは2015年以来。欧州連合(EU)から離脱した英国は広範な国々との連携で国力増強を図る「グローバル・ブリテン」構想を掲げており、インド太平洋地域での存在感を高める考えだ。

 英政府は、インド太平洋について「世界の中心」になりつつあると強調。レビューではロシアを欧州・大西洋地域における「最大の脅威」と位置づける一方、「中国の軍事的近代化やインド太平洋地域における台頭は英国の利益に対するリスクを増大させている」との認識を示した。

 インド太平洋への関与としては、英最新鋭空母「クイーン・エリザベス」の派遣のほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化、ジョンソン首相が中国との軍事的緊張が続くインドを4月末に訪問する計画などを盛り込んだ。

 クイーン・エリザベスは4月ごろに東アジアに派遣され、自衛隊や米軍との合同演習に加わるとみられている。東シナ海や南シナ海での覇権的な行動をとる中国に対抗する方針だ。

 レビューでは核弾頭保有数の上限を現在の180発から260発に引き上げる方針も示した。中国による核増強も背景に指摘されるが、レビューは具体的な国名を避けつつも「一部の国は核兵器を大幅に増やしている」と指摘。「英国や同盟国の安全を保障するためには、最低限の信頼できる独立した核抑止力が不可欠だ」と強調した。