関電社長ら争う姿勢 株主代表訴訟初弁論 大阪地裁

 関西電力役員らの金品受領問題で会社の信用低下を招き、株価下落で株主に損害を与えたとして、個人株主5人が森本孝社長ら新旧取締役や監査役ら計17人を相手取り、計約69億2千万円の損害賠償を求めた株主代表訴訟の第1回口頭弁論が16日、大阪地裁(西村欣也裁判長)であった。被告側は訴えの棄却などを求め、争う姿勢を示した。

 訴訟には別の株主44人も共同参加。一方、会社の中枢を担う立場にもかかわらず、金品を受領するなどした八木誠前会長ら元取締役5人は株主代表訴訟の被告から外れ、関電が5人に計19億3600万円の損害賠償を求めた会社訴訟に併合された。このため、提訴時は約92億円だった請求額も減少している。

 この日、原告側が意見陳述し、弁護団の河合弘之弁護士は「原発は汚い金を落とさないと運転できない。裁判で不正行為を徹底的に洗い出し、関電を浄化しないといけない」と主張。原告の女性株主は「まともな企業になることを願う」と訴えた。一方、被告側は一連の金品受領は「預かり保管だった」などと反論し、請求棄却などを求める答弁書を提出した。

 訴状によると、被告17人は、森本社長や森中郁雄前副社長ら現旧取締役9人と現旧監査役8人。福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から金品を受け取った上で森山氏と関係の深い業者に工事の発注を約束したり、役員らの金品受領や不正発注を知りながら報告義務を怠ったりしたなどとしている。

 損害の内訳については、金品受領による信用低下(50億円)▽東日本大震災後の役員報酬の減額補填(ほてん)に伴う信用低下(10億円)▽営業上の損失(7億円)-などと算出している。

 関電金品受領問題 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から繰り返し金品を受け取っていた問題。関電が設置した第三者委員会は森山氏から役員ら75人が総額3億6千万円相当の金品を受領したと認定した。東日本大震災後の業績悪化で報酬を削減された関西電力の役員が退任後、ひそかに補填を受けていたことも発覚。大阪地検特捜部は市民団体から提出された告発状を受理した。

会員限定記事会員サービス詳細