<独自>同性との不倫も「不貞行為」 妻の相手に賠償命令(1/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

<独自>同性との不倫も「不貞行為」 妻の相手に賠償命令

 妻と不倫した女性に夫が損害賠償を請求できるかどうかが争われた訴訟で、東京地裁(内藤寿彦裁判官)が先月、同性同士の性的行為も「不貞行為に当たる」として女性に賠償を命じる判決を言い渡したことが16日、分かった。これまでは、婚姻関係にある男女の一方が同性と不倫をしても、法律上の不貞行為には該当しないとの見解が法律家の間で有力だった。原告代理人によると、同性同士の不倫を不貞行為と認めた司法判断は珍しい。

 令和元年に原告の30代男性が、妻と性的な行為に及んだ女性を提訴。女性側は、不貞行為は「異性との行為を意味する」などとして同性同士の行為は対象にならないと反論していた。

 今年2月16日の判決は、不貞行為は男女間の行為だけでなく、「婚姻生活の平和を害するような性的行為」も対象になると指摘。「同性同士の行為の結果、既存の夫婦生活が離婚の危機にさらされたり形骸化したりする事態も想定される」として、妻と女性の行為を不貞行為と認定した。

 男性は妻が同性愛に関心があることを理解し、女性と親しく付き合うこと自体は受け入れていたという。ただ判決は「性的行為までは許容していなかった」と認め、不貞行為の慰謝料などを支払うよう女性に命じた。男性側は賠償額が不十分だとして控訴した。

 原告代理人の葛西臨海ドリーム法律事務所の島田栄作弁護士は「同性か異性かではなく、当事者らの関係性を実質的に考慮してくれた。多様な共同生活の形が存在する社会の実態を反映した判決だ」と評価。女性側の代理人は「賠償額について依頼人の主張がほぼ認められ、実質的には勝訴判決。控訴審も粛々と対応する」としている。

 ■司法判断、性別捉われず

 不貞行為をめぐる訴訟は近年、性別に捉われない司法判断が続いており、専門家は「司法でも性別に関係なく、当事者の意思や生活実態を尊重する傾向が強くなっている」と指摘する。