書評

『ハーバード大学のボブ・ディラン講義』

 2001年9月11日の米中枢同時テロの当日、ボブ・ディランが発表したアルバム「ラヴ・アンド・セフト」に収められている「ロンサム・デイ・ブルース」の中に古代ローマの詩人、ウェルギリウスの詩をハーバード大の古典文学教授の著者は発見する。

 本書は大学講義を下敷きにしたもので、ホメロスからエズラ・パウンドまで、「古典」作品とディランの詩を比較対照しながら、ディランが詩の正統な「剽窃(ひょうせつ)」の歴史に連なる詩人であることを明らかにしたものだ。ディランがノーベル文学賞を受けた理由もよく理解できる。(リチャード・F・トーマス著、萩原健太監修、森本美樹訳/ヤマハミュージックメディア・2700円+税)

会員限定記事会員サービス詳細