リニア地下工事で川崎・相模原の住民に不安 駅工事周辺で振動・騒音の訴えも

JRに要望書

川崎市でも、調布と同様の大深度地下トンネル工事が行われる。2月19日、神奈川県は川崎市と相模原市と連名でJR東海に、書面で要望書を提出した。要望書には「リニア沿線の住民は大変不安を抱えている」としたうえで、(1)工事着手前に十分な調査を行い、住民に工事内容を説明すること(2)工事中の安全確保の徹底(3)万が一、地表面に異常が認められた場合の原因究明や住民への説明-を要請した。

JR東海は県と2市からの要請を受け、産経新聞の取材に「(調布の陥没に関連して)NEXCO東日本の有識者委員会が年度内に出すとされている最終報告の内容を含め、工事の安全性に関するさまざまな情報を集める。必要な対策をきちんと講じ、工事を行うルート上にお住まいの方々にあらかじめ丁寧に説明したうえで、周囲の環境へ影響がないことを確認しながら進めていく」と回答した。

「夜も眠れない」

一方、令和元年11月に工事が開始された地下駅「神奈川県駅(仮称)」周辺地域では、すでに住民生活に影響が出ているという。トンネル工事は始まっていないものの、「リニア新幹線を考える相模原連絡会」には「工事の音がひどく、完成まで耐えられるか」などといった悲痛な声が寄せられている。

同連絡会は昨年11月~今年1月、新駅工事の周辺住民約1千人にアンケート用紙を配布。回答のあった67人の中には、騒音や振動を訴える声が多くみられたという。具体的には▽夜間工事の音で精神的に参ってしまう▽振動で頭痛がする▽ベランダの柵に土ぼこりが積もる▽調布のように地盤沈下が起きないか不安▽緑地が減るのが悲しい-などの声があった。

同連絡会代表の浅賀きみ江さんは「リニア工事を即刻中止にするべきだと言っているのではない」と話す。続けて「せめて行政や事業者には住民生活に影響が出ていることを把握してもらい、対策を考えてほしい」と訴え、事業者と相模原市に要望書を提出した。

日本の交通の新たな大動脈となることが期待されているリニア中央新幹線。リスクのない工事など存在しないが、より徹底した安全対策と住民生活への影響の軽減が求められる。

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