特殊詐欺、組トップの使用者責任確定 最高裁、住吉会側の上告退ける

最高裁判所=東京都千代田区(伴龍二撮影)
最高裁判所=東京都千代田区(伴龍二撮影)

 指定暴力団住吉会系の組員らによる特殊詐欺事件をめぐり、被害女性が暴力団トップに暴力団対策法上の使用者責任があるとして損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は、住吉会の関功会長と福田晴瞭(はれあき)前会長の上告を退ける決定をした。11日付。暴対法上の使用者責任を認め605万円の支払いを命じた1、2審判決が確定した。特殊詐欺事件で使用者責任が最高裁で確定するのは初めて。

 同種訴訟の控訴審判決は今回のほかに複数あり、詐欺グループの組員が「暴力団の威力」を利用して資金を獲得したと判断、暴力団トップの使用者責任を認めていた。今回の判決確定に伴い、暴力団トップの民事上の責任を追及する道筋ができたことで、特殊詐欺事件の被害者救済に一定の影響がありそうだ。

 今回の訴訟は、特殊詐欺事件が暴対法で使用者責任の対象となる「暴力団の威力を利用した資金獲得行為」に当たるかどうかが争点だった。

 令和元年5月の1審水戸地裁判決は、組員が住吉会の威力を利用して「受け子」を集め、詐欺グループを構成したと認定。関会長らの使用者責任を認めた。同年12月の2審東京高裁判決は「組員が直接暴力団の威力を使う場合だけでなく、共犯者集めなど犯罪の実行過程で威力を利用した場合は暴対法の資金獲得行為に含まれる」との解釈を示し、1審判決を支持。会長側の控訴を棄却していた。