【健康カフェ】(196)高齢化社会 軽くでも体を動かし続けることが大切 - 産経ニュース

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(196)高齢化社会 軽くでも体を動かし続けることが大切

 日本では高齢化が大きな問題となってきています。高齢化社会の問題は財政的なものだけでなく、実際に誰が面倒を見るのかというものもあります。これからの時代、できる限り自分のことは自分でできるようにしておかなければなりません。高血圧で通院している70代後半の女性患者さんは、体力が落ちたと嘆いています。買い物以外の外出はほとんどなく、テレビの前で座りっぱなしの生活を送っているということでした。

 運動が体によいのだろうということは誰でも感じていることでしょう。近年では、高齢者の筋力トレーニングや強度の高い運動が、筋力や心肺機能を維持し、心血管病の予防や寿命によい影響を及ぼすと言われています。しかし、実際にはなかなか難しいようです。

 ただ、動ける体を維持することに関しては、普通に歩くことや日常生活程度の活動でも、ある程度の時間ができるようなら問題ないようです。そのことを示す研究結果が2月、米国の医学雑誌に発表されました。高齢の米国人女性約6000人を対象に、低強度運動の時間とその後に移動の制限が出る頻度を観察したものです。対象者の平均年齢は79歳で、6年を超える観察を行っています。低強度運動とは炊事や買い物での歩行程度のもので、移動の制限は1区画歩くことや一続きの階段が登れないようなことを指しています。

 結果は、1日当たりの運動時間を、(1)4時間以下(2)4~4・8時間以下(3)4・8~5・6時間以下(4)5・6時間より長い-の4群に分けると、移動の制限が出ることは最も短い(1)に比べ(2)(3)(4)ではそれぞれ22%、40%、40%減少していました。移動の制限が続くことに関しても同様に32%、45%、48%減少していました。(3)(4)であまり差が見られないのは、1日当たり5時間程度のところに効果の上限があるためのようです。

 このように、毎日ある程度動き続ければ、将来動けなくなるということはかなり防げる可能性があるようです。女性患者さんにも、用事を見つけては階段を上り下りすることなどで、座ってテレビを見ている時間を減らすようにお話ししました。

 (しもじま内科クリニック院長 下島和弥)