「どう生きるかを考える日」 仙台・荒浜の慰霊塔で亡き生徒を悼む教師

東日本大震災の犠牲者を悼む慰霊塔には、献花や手を合わせる人々の姿が絶えなかった=11日、仙台市若林区(塔野岡剛撮影)
東日本大震災の犠牲者を悼む慰霊塔には、献花や手を合わせる人々の姿が絶えなかった=11日、仙台市若林区(塔野岡剛撮影)

 東日本大震災の発生から10年を迎えた11日、津波で多くの犠牲者を出した仙台市若林区荒浜では、午前中から慰霊塔に献花や手を合わせる人々の姿が見られた。

 この日献花に訪れた仙台市立八乙女中学校の教諭、羽生仁美さん(59)は震災当時、海から約2・5キロ離れた同市立七郷中学校に勤務していた。震災発生の当日は卒業式が執り行われていたが、式が終了し、帰宅していた在校生2人が津波に巻き込まれて犠牲に。羽生さんは当時、剣道部の顧問を務めていたが、卒業生で当時高校生だった同部の教え子2人も犠牲になった。

 「剣道部の教え子2人のカバンからは、剣道の大会プログラムの冊子が出てきたと聞いた。高校でも剣道を頑張ってくれていたんだと思い、残念な気持ちになった」と時折、涙を浮かべて振り返った羽生さんは「あの日、犠牲になった方々が生きたかった一日を私たちは生きている。きょうは一日一日、どう生きるかを考える日」と語った。