大阪公立大 英語表記を変更へ 「酷似」と反発する大阪大に配慮

大阪市立大と統合する大阪府立大=堺市(本社ヘリから、安元雄太撮影)
大阪市立大と統合する大阪府立大=堺市(本社ヘリから、安元雄太撮影)

 大阪府立大と大阪市立大を統合し、令和4年度に開学する新大学「大阪公立大」をめぐり、大学の運営法人が昨年決定した英語表記「University of Osaka」を変更する方針を固めたことが10日、大学関係者への取材で分かった。新たな表記の候補として「Osaka Metropolitan University」などの複数案が検討されており、近く発表する。

 「Osaka University」を長年使ってきた大阪大が混乱を招く恐れがあるとして、再考を求めたことに配慮した。

 大学関係者によると、運営法人が今年に入り、阪大側と複数回、英語表記について協議。法人内で、将来的に阪大との連携が欠かせないとして変更に向けた検討を重ねてきた。

 発端は昨年6月。法人が公立大の名称と英語表記を決定し、特許庁に商標登録を申請した。

 一方、阪大は同月にホームページで西尾章治郎総長名のコメントを公表。「英語名称が酷似し、特に海外の研究者や学生に混乱を招き、両大学の未来にとって大きな障害となる」と強い懸念を表明していた。

 大阪府の吉村洋文知事は10日、公立大と阪大について「知の拠点として活躍してもらう必要がある。争うよりも建設的に前を向いていける関係があるべき姿だ」と述べた。大阪市の松井一郎市長も「意固地になって、阪大と対立する名前をつける必要はない」と語った。

会員限定記事会員サービス詳細