フジ社員監督が第30回日本映画批評家大賞・ドキュメンタリー賞受賞 映画「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」 

世界中から愛されるホセ・ムヒカ氏(C)2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会
世界中から愛されるホセ・ムヒカ氏(C)2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会

 現役の映画批評家たちが選出する第30回日本映画批評家大賞の受賞作品が10日発表され、フジテレビ社員の田部井一真監督による映画「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」(昨年10月公開)がドキュメンタリー賞を受賞した。

 田部井監督は一報に驚きを隠さず、「ムヒカ氏について日本人である私の視点で見つめた物語。コロナに負けず上映してくださった全国の映画館、映画を愛してくださった観客のみなさま、関係者の力をお借りしたことで作品が歩み始めいただくことができた。受賞を励みに、細くとも長くムヒカ氏のことを伝え続けていきたい」と喜びのコメントを寄せた。

 2010年から5年間、南米・ウルグアイの大統領を務めたホセ・ムヒカ氏。収入の大半を寄付、公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に小さな農場で質素な暮らしを続けた。そんな姿から敬意を込めて世界でいちばん貧しい大統領と呼ばれた。

 12年の国連会議で現代の消費社会を痛烈に批判し、人類にとっての幸せとは何かを問うた名スピーチは世界中で話題となった。その際、田部井監督がディレクター(当時)を務めていた「Mr.サンデー」で取り上げる。心を動かされ、こう願った。

 「多くの日本人にムヒカ氏の言葉を聞いてほしい」

 その後、ウルグアイを往復し取材を重ね、やがて絵本の出版社の協力を得て来日も実現。ムヒカ氏と田部井監督の不思議な交流、愛に満ちたメッセージ…多くの映像でつづりながら政治家・ムヒカ氏の人間的な部分にもスポットを当てたドキュメンタリー映画である。

 選考委員の映画ライター、新谷里映さんは「真実を伝えることがドキュメンタリーだが、作品はそれ以上にムヒカ氏を、ムヒカ氏が思う幸せについての考え方を多くの人に伝えたいという情熱を感じた」と高く評価している。

 同賞は1991年、水野晴郎氏が発起人となり、淀川長治氏、小森和子氏ら当時第一線で活躍していた現役の映画批評家たちの提唱により誕生した。

(産経デジタル)

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