野党「接待」追及 影響少なく 予算成立は確実 日程闘争の余地なし

参院予算委員会で答弁する菅義偉首相=8日午前、参院第1委員会室(春名中撮影)
参院予算委員会で答弁する菅義偉首相=8日午前、参院第1委員会室(春名中撮影)

 NTTから高額接待を受けていた谷脇康彦総務審議官が8日、更迭された。同社の澤田純社長も国会に参考人招致されることが決まり、野党は菅義偉(すが・よしひで)政権への攻勢をさらに強めて存在感をアピールする構えだ。一方で、令和3年度予算案は年度内成立が確実となっており、首相肝いりのデジタル庁設置を柱とするデジタル改革関連法案を含め重要法案審議などへの影響は限定的との見方がある。

 野党は澤田氏を招致する15日の参院予算委員会集中審議を接待問題追及の山場とみている。立憲民主党の難波奨二参院国対委員長は8日、NTTによる接待問題の中間報告に関して記者団に「接待の常態化は極めてゆゆしき事態」と強調。野党は澤田氏の招致を通じ、接待が通信・放送行政に影響を与えたのではないかと追及する。

 15日の集中審議では、首相の長男の正剛(せいごう)氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題も取り上げる。同社をめぐっては、外国資本の出資比率が20%を上回り放送法に違反していた事実も発覚。野党は、総務省が放送事業の認定を取り消さなかったのは正剛氏の影響があると疑い、正剛氏ら同社関係者の参考人招致も要求している。

 ただ、国会日程への影響は限定的だ。与野党は8日、一般質疑を9、10両日に、予算案採決の前提となる公聴会を16日に実施することを決定した。憲法60条の「衆院の優越」規定により3月末までの成立も確定しており、野党側が日程を引き延ばせる余地はない。

 デジタル改革関連法案も9日の衆院本会議で審議入りする。立民幹部は「複雑な課題が多く、成立は早くても4月28日」と慎重審議を求めつつ、「与野党対決の法案にはならない」と語り、現時点で日程闘争は仕掛けない構えだ。

 与党からはマスコミの最新の世論調査で内閣支持率が上向いたことに安堵(あんど)の声が漏れる。自民党関係者は「接待問題があったのに支持率は上がった。4都県への緊急事態宣言の2週間再延長が支持されたのか、もしくは国会審議があまり見られていないのか…」と戸惑い気味に語った。

(田中一世、今仲信博)

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