【東日本大震災10年】飯舘村の校歌 創玄展で展示 作詞した黛まどかさんらが鑑賞 - 産経ニュース

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東日本大震災10年

飯舘村の校歌 創玄展で展示 作詞した黛まどかさんらが鑑賞

「いいたて希望の里学園」の校歌の書を見る、作詞した黛まどかさん、福島県飯館村の菅野典雄前村長、揮毫した長沼玲子さん(左から)=8日午後、港区の国立新美術館(大渡美咲撮影)
「いいたて希望の里学園」の校歌の書を見る、作詞した黛まどかさん、福島県飯館村の菅野典雄前村長、揮毫した長沼玲子さん(左から)=8日午後、港区の国立新美術館(大渡美咲撮影)

福島県飯舘村の「いいたて希望の里学園」の校歌で、俳人の黛まどかさんが作詞した「孤高の星」の歌詞を、書家の長沼玲子さんが揮毫(きごう)した作品が国立新美術館(港区)で展示されている。東京電力福島第1原発事故で一時全村避難となった村に開校した学校に、黛さんが贈った歌詞だ。東日本大震災からまもなく10年となる8日、黛さんと飯舘村の前村長、菅野典雄さんが同館を訪れ、揮毫を見つめた。

全村避難となった飯舘村では、3小学校と1中学校が村外の仮設校舎で授業を実施。29年の避難指示解除後、30年春に4校が避難先から戻り、中学校の校舎内で授業を再開した。そして昨年4月、小中9年間を一貫教育する義務教育学校「いいたて希望の里学園」が開校した。

震災前から村と交流があった黛さんが校歌の歌詞を担当し、歌手の南こうせつさんが作曲した。黛さんは学校を訪れ、子供たちに校歌に入れてほしい思いなどを尋ねた。震災前からの独自の村づくりに敬意を表するとともに、村の子供たちへの応援歌にしたいとの思いを込め、「孤高の星」と名付けた。

その歌詞を見て感動した黛さんの高校の同級生で川崎市麻生区の書家、長沼さんが、2番の歌詞を揮毫。国内最大規模の書道展「創玄(そうげん)展」に出品した。

「震災から10年となるが、あの日のことを忘れずに寄り添いたいという思いを込めた」と長沼さん。料紙にもこだわり、夜空のイメージだが暗くならないデザインを選んだという。

8日、黛さんと菅野さんは長沼さんの説明を受けながら作品を鑑賞した。黛さんは「書にするとまた新しい世界になっている。書も俳句も余白が大事なので、余白の部分に飯舘村への思いなどが込められていると感じた」と話した。

菅野さんは「黛さんからいただいた言葉が感謝と、頑張っていこうという源になっている」と語った。

展示された書は展示会が終わった後、希望の里学園に寄贈される予定。