中国「ワクチン外交」加速 IOCと協力「五輪選手に提供」 無償提供も途上国69カ国に  - 産経ニュース

メインコンテンツ

中国「ワクチン外交」加速 IOCと協力「五輪選手に提供」 無償提供も途上国69カ国に 

オンライン方式で記者会見する中国の王毅国務委員兼外相=7日、北京(共同)
オンライン方式で記者会見する中国の王毅国務委員兼外相=7日、北京(共同)

 【北京=三塚聖平】中国が、新型コロナウイルス感染症のワクチンの海外への提供を加速させている。全国人民代表大会(全人代)では、国際オリンピック委員会(IOC)と五輪選手へのワクチン接種で協力する意向を表明。今後も「ワクチン外交」を展開することにより、途上国などに対する影響力拡大を進める考えとみられる。

 王毅国務委員兼外相は7日の記者会見で「IOCと協力し、五輪に参加する選手にワクチンを提供したい」との意向を表明した。王氏は詳細については明らかにしなかったが、来年2月には北京冬季五輪が予定されており、開催に向けてIOCとの協力を深める考えとみられる。

 中国は、自国産ワクチンの開発・生産を急いでおり、それを使い途上国を中心とした海外への援助や輸出を進めている。王氏によると、中国はこれまでに途上国69カ国にワクチンの無償提供を行っている。王氏は、海外在住の中国人に対するワクチン接種の支援を行う方針も示している。

 中国は、ワクチンの接種履歴やPCR検査の結果を示す中国版の「国際旅行健康証明」の導入も図る。国際的な相互認証を進める方針で、それにより世界的なコロナ流行で難しくなった人的往来を回復させる考えだという。

 中国は、ワクチン外交を通じて途上国などへの影響力を拡大させているという指摘に反発している。全人代の張業遂(ちょう・ぎょうすい)報道官は4日の記者会見で「政治的な狙いを求めるものではなく、いかなる政治条件も付け加えたことはない」と反発。王氏も「ワクチンに関する協力を政治化するたくらみに反対する」と表明した。

 一方、中国国内ではコロナ禍に乗じた犯罪も多く確認されている。中国メディアによると、最高人民検察院(最高検)の張軍・検察長が8日に全人代で行った活動報告で、新型コロナに関連した犯罪で7227人の逮捕を承認し、約1万1千人を起訴したと表明。PCR検査に関する詐欺や、偽ワクチンの製造・販売などが起きているという。