深層リポート

栃木発 開業1年先送り、費用1・5倍の誤算 LRT 追加工事で暗雲

平成5年から構想

平成の初め頃から市東部の清原工業団地周辺では、慢性的な交通渋滞が問題となってきた。5年、市は県などと渋滞緩和のための新交通システム検討を開始。LRTに関する調査が始まった。

11年、市長に初当選した福田富一現知事は、LRT導入に積極的な姿勢をとり、バトンを後継の佐藤市長に引き継いだ。人口減少、超高齢化社会に対応する公共交通ネットワークの要として、26年に導入を決定した。

しかし28年の市長選では、導入に反対する市民団体や野党が対立候補を擁立。佐藤市長が4選を果たしたものの、約6千票差の薄氷の勝利だった。30年5月、JR宇都宮駅東口での起工式に至ったが、構想から25年を要した。昨年12月時点で用地は95%取得、工事は約8割で実施している一方、2割は未着手だ。

コロナ禍の打撃も

市はLRT開業をにらんだ都市計画も進めてきた。JR宇都宮駅東口の市有地約2・6ヘクタールで、国際会議の開催が可能な大小ホールを備えるコンベンション施設やホテルなどが入る民間複合施設の建設などを整備。コンベンション施設は令和4年11月から供用開始の予定だ。だが、目玉となる高級ホテルは新型コロナウイルスの影響で開業の目途が立たなくなった。

またJR宇都宮駅西側延伸も視野に入れている。今年度中は西側延伸区間を決定する予定だが、担当課は「検討中であり、公表時期も今のところ明確になっていない」としている。