家賃滞納者の家財搬出 2審は「追い出し条項あたらず」

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

 賃貸住宅の家賃滞納者をめぐり、一定の要件を満たせば物件を明け渡したとみなして家財を処分できると定めた条項は「追い出し条項」にあたり違法だとしてNPO法人「消費者支援機構関西」(大阪市)が家賃保証会社「フォーシーズ」(東京)に条項の差し止めを求めた訴訟の控訴審判決が5日、大阪高裁であった。西川知一郎裁判長は、同社側に一部の条項差し止めを命じた1審大阪地裁判決を取り消し、同NPO側の全面敗訴を言い渡した。

 問題となったのは、同社が借り主らと結ぶ契約の中で、2カ月以上の家賃滞納▽連絡が取れない▽長期にわたり電気、ガスなどの使用がない▽客観的に見て再び住宅を使用する様子がない-の4要件を満たせば物件を明け渡したとみなし、家財を処分できると定めた条項。1審判決は、法的手続きを経ずに一方的に家財を搬出できるなどとして条項を違法と判断した。

 だが西川裁判長は判決理由で、4要件を満たす状況では借り主がすでに家財を守る意思を失っている可能性が高く、「占有権が消滅していると認められる」と指摘。消費者利益の保護を定めた消費者契約法にも反しないと判断した。

 同NPO側の代理人弁護士は「法的手続きを経て慎重に決めるべき明け渡しの判断を業者側に委ねる判決で、不当だ」と述べ、上告を検討するとした。

 同NPOは一般消費者に代わり訴訟を起こすことができる「適格消費者団体」。同NPOが原告となった追い出し条項をめぐる訴訟で高裁判決が出たのは今回が初めて。