中国首相「TPPへの加入を前向きに検討」 全人代で改めて意欲表明

中国全人代が開幕し、政府活動報告に向かう李克強首相(左)と拍手する習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代が開幕し、政府活動報告に向かう李克強首相(左)と拍手する習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)

 【北京=三塚聖平】中国の李克強首相は5日、全国人民代表大会(全人代)で行った政府活動報告で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「加入を前向きに検討する」と述べた。習近平国家主席が昨年11月に「積極的に検討する」と表明しており、改めて前向きな姿勢を内外に示した形だ。

 TPPに関しては、中国商務省の王受文次官が2月下旬に、参加に向け一部加盟国と非公式に接触していると表明。他の加盟国にも接触を広げる方針を示しており、TPP参加に向けた準備作業を積極化させている。

 李氏は、昨年11月に日中韓など15カ国が署名した地域的な包括的経済連携(RCEP)について「早期発効・実施を推進する」と強調。昨年末に欧州連合(EU)と大枠合意した投資協定について「調印を推し進める」としたほか、日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉についても「交渉プロセスを加速させる」との方針を示した。

 米国に関しては「中米の平等互恵の経済・貿易関係の深化を推し進める」と関係改善に意欲を示した。

 李氏は「二国間・多国間、地域間の経済協力を深化させる」と述べるとともに「断固として多角的貿易体制を擁護する」と強調した。

 中国はアジアにおける経済・貿易枠組みに積極的な関与姿勢を示すことで、対立長期化が見込まれる米国が進める「対中包囲網」を切り崩すとの思惑も指摘されている。