美村里江のミゴコロ

確定申告は初日に

今年の1月4日、新年の挨拶(あいさつ)を済ませたマネジャーと私のメール上の初会話は、「昨年の支払い明細について」だった。

といっても、もめたわけではなく、私が早めに確定申告の準備計算に入っていたための確認作業だ。仕事で多少の前後はあるが、毎年受け付け開始の初日の提出を心掛けている。

デビュー後、20歳の「初納税」だけ税理士さんにお世話になった。そのときにいろいろ質問して教えていただき、本を読んで「できそう」と思えたので、以後ずっと自分でやっている(役者によると思うが、私の場合、事務所へは「所属」なので個人事業主、職種的には第5種に該当)。

さて、そんな一般的納税者の私だが、実は税務署に呼び出されたことがある。あらかじめ断っておくと、私は一度も怪しい申告をしたことはない。当時も真面目にやっている自負はあったが、理由のわからない時期外れの個別呼び出し。何事かと緊張しないわけがない。

保管してあった5年分の領収書を数日かけて隅から隅まで調べられた上、管轄の税務署の方と国税庁の方が同席する場に呼ばれた。その第一声は「いやあ、もったいないですよ」というものだった。

呼ばれた実際の理由は、当時周辺に脱税を疑われる人物がいたためで、その巻き添え。相当悪質だったので範囲を広げての調査だったそうだ。

ところが私の領収書を見ると、薬局で「仕事用の目薬」と「私生活用のティッシュ」を買っても混同せず、わかりにくいレシートにはいつのどういった用途かメモ書きあり。5年分総ざらいで2件しか修正がなかったため、「白色じゃなく青色申告にすればもっと節税できますよ。もったいない」と、逆に親身になってくださったというわけだ。

ちなみに修正のうち1件は、クレジットカードの精算を領収書で誤って二重加算していた件。そして、顔バレを避けるための伊達眼鏡、度付き眼鏡、仕事用コンタクトレンズの扱いで、相談の後に度付き眼鏡だけ除外することになった。その他、気になっていた部分も細かに教えていただき、私の納税知識はおかげで大きくバージョンアップ。大変いい経験になった。

税務署は真面目な姿勢の納税者には親切。このときのご恩?を返す意味でも、毎年初日に提出を済ませている私である。