首相、緊急事態宣言再延長は「感染抑制に必要」 高齢者施設で月内に検査

記者会見する菅首相と新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=5日午後9時18分、首相官邸
記者会見する菅首相と新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=5日午後9時18分、首相官邸

 政府は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、特別措置法に基づき首都圏1都3県で発令している緊急事態宣言について、7日までの期限を21日まで2週間延長することを決めた。菅義偉(すが・よしひで)首相は記者会見で「(延長は)大変申し訳ない思いだ。心よりおわびする」と陳謝したうえで、感染者集団(クラスター)の発生を防ぐため、3月末までに3万の高齢者施設で検査を実施する方針を明らかにした。

 首相は会見で、延長した2週間を「感染拡大を押さえ込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間」と位置付けた。その上で、市中の感染探知を目的とした無症状者へのモニタリング検査を大都市にも拡大して実施する方針を表明した。

 感染力が強いとされる変異株に関しては、今月から短時間で検出できる新たな方法の検査を全都道府県で行い、「国内の監視態勢を強化する」と強調。水際対策を強化するため、全ての帰国者、再入国者の状況を入国後14日間は毎日ビデオ電話で確認するとした。

 一時停止中の観光支援事業「Go To トラベル」については「当面の再開は難しい」と言及した。

 また、首相は卒業式や入学式、歓送迎会やお花見など、人の集まりが多くなる時期を迎えると指摘。「こうした機会でも大人数の会食を控えてほしい」と呼びかけたほか、宣言が解除された地域でも会食はできるだけ家族同士、または4人以内で済ますよう求めた。

 コロナ禍で影響を受ける女性の非正規労働者らの雇用対策について「早急に対策を検討し、今月中にもまとめる」と述べた。感染症対策をめぐる国と地方の権限見直しに関しては「収束した段階で必要な検証を行う必要がある」と述べた。

 対策本部に先立ち、専門家らでつくる基本的対処方針等諮問委員会が2週間の延長方針を了承した。政府は衆参両院の議院運営委員会で延長方針を説明した。

 政府は新型コロナ対策分科会が示す基準で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)からステージ3(感染急増)への改善を宣言解除の目安とし、1都3県では2日時点で達成した。だが、千葉県などで病床使用率が十分に下がり切っていないことなどから延長を決めた。