「校則」学校側に幅広い裁量権

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

 校則違反を理由に、地毛の茶髪を黒く染めるよう強要されて不登校になったとして、大阪府立懐風館高校の元女子生徒(21)が府に、約220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月16日にあり、大阪地裁は元生徒側の主張を一部認め、府側に33万円の支払いを命じた。ただ、髪の染色を禁じた校則に違法性はないと判断されるなど、主要な点で元生徒側の主張が退けられた。

 海外メディアも訴訟の行方を注目し、合理性に乏しい「ブラック校則」だとして、インターネット上でも議論を呼んだ。生来の茶髪さえも認めない対応は、不寛容な風潮を強める日本社会の象徴と指摘され、学校側は厳しい風当たりにさらされたが、判決は冷静に学校側の正当性を指摘した。

 裁判所は、元生徒の地毛の色が黒なのか、それとも茶なのかという、根本的な判断は示さなかったが、検査の際に複数の教諭が元生徒の頭髪の根元が黒だと確認しており、茶を黒に戻すよう指導したことは「裁量の範囲を逸脱しない」と認定した。また、地毛以外の色に髪を染めることを禁じた校則についても、華美な頭髪や服装を制限することで非行行動を防止するという正当な教育上の目的があり、学校側の裁量権の範囲内と結論づけた。

 頭髪の教育指導は、たびたび裁判で争点となった。中学の「丸刈り校則」が違法か合法かを争った裁判では、熊本地裁が昭和60年に合法と判断。黒染め強要は体罰だとして奈良県内の中学の元生徒が賠償を求めた訴訟でも、平成23年に訴えが退けられた。

 裁判所は学校側に校則に関する幅広い裁量権を認めているが、時代にそぐわないと判断した校則を、生徒や保護者らと協議し、民主的に改めた学校も存在する。

 東京都内の高校では29年11月、両サイドの髪を短くする髪形「ツーブロック」の解禁を生徒側が提案。生徒、保護者、教職員で構成する「三者協議会」で校則について話し合われ、最終的に認められた。

 私的な旅行や集会への参加に許可が必要だったり、下着の色が決まっていたりと、独特な校則は存在する。たとえ首をかしげたくなるようなブラック校則であっても、ルールである以上は順守が求められるのは仕方ない。ただ、ルールは時代や環境に応じ改められるべきで、裁量権を盾に、学校側が改正の提案を門前払いすることがあってはならない。(岡嶋大城)

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