自由 強権

父を探しに ウイグル人女性の死 「なぜ止められなかったのか」 在日コミュニティーに広がる動揺 

「あなたは帰ったら絶対どこかに連れていかれるよ。ウイグル人ということが罪になってしまうよ」

電話での説得は1時間近くに及んだが、すでに出国直前のミヒライさんの決意は固かった。

「お父さんを探したい。お父さんは私たちを育てて、今まで苦労してきたのに、私が何もできずに、日本で待つことはできない。お父さんのために死んでもいいから何かやりたい」

ミヒライさんには特に身が危険である事情もあった。ミヒライさんの親族の一人が、亡命した欧州でウイグル族の窮状を訴える有名人だったからだ。中国当局は危険人物の親族も同様に警戒するため、ミヒライさんも帰国すれば収容所に送られる可能性は高かった。

日本出国後、数カ月がたち、日本で暮らす知人のもとには、上海の病院に入院しているミヒライさんの写真が送られてきた。生きていたことに、周囲は安堵(あんど)したが、やはりというべきか。

今年1月、欧州の親族を通じ、「ミヒライさんは昨年12月24日に亡くなりました」との情報が日本ウイグル協会に届いた。30歳だった。死因や死去した場所などは不明だ。ただ、ミヒライさんが収監されていた情報は、日本ウイグル協会の幹部らも把握していた。関係者は、ミヒライさんの死に中国当局が関与しているとみている。

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