再審無罪の元看護助手 国賠訴訟初弁論 国と県争う姿勢

弁護団と大津地裁に入る西山美香さん(中央)=4日午前、大津市
弁護団と大津地裁に入る西山美香さん(中央)=4日午前、大津市

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で平成15年にあった患者死亡をめぐり、殺人罪で懲役12年の判決を受けて服役後、再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さん(41)が、違法な捜査で約13年間拘束されたとして国と県に計約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、大津地裁(堀部亮一裁判長)であった。国と県は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 西山さんは意見陳述で「滋賀県警や検察はまったく過ちを認めない。こんなことが許されていたら、これからも冤罪(えんざい)が生まれる」と訴えた。国と県は今後の裁判の中で詳しい主張を明らかにするとしている。

 閉廷後、大津市内で会見した弁護団長の井戸謙一弁護士は「再審無罪判決が指摘した捜査の違法性について、裁判所にしっかりと判断してもらうことが日本の刑事司法をよくすることにつながる」と話した。

 訴状によると、県警が西山さんの刑事への恋愛感情を利用して虚偽の自白を誘導したことや、西山さんに有利な証拠を大津地検に送致しなかった点などが違法な捜査だったと主張。また、検察も29年の大阪高裁の再審開始決定に対し、理由なく特別抗告をしたのは違法だと訴えている。

 西山さんは16年に逮捕、起訴され、19年に懲役12年の判決が確定。その後再審開始が決定し、大津地裁で昨年3月、事件性を認める証拠はないとして再審無罪判決を言い渡された。同年12月、国賠訴訟を起こした。

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